欧博abg【詳細】ウクライナ情勢 ロシアが軍事侵攻 戦況地図とともに詳しく 各国の外交や支援は(2月
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ロシア ウクライナへ軍事侵攻(2月4日の動き) ウクライナ情勢 戦況の解説記事はこちら ゼレンスキー大統領「軍の死者およそ4万5100人に」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、4日に公開されたイギリスのジャーナリストとのインタビューで、これまでのウクライナ軍の死者はおよそ4万5100人にのぼっていると明らかにしました。
ゼレンスキー大統領は、2024年2月に、初めて死者数を公表していて、その時と比べ、この1年間で1万4000人あまり増えています。
また、けがをした兵士はのべ39万人だとした上で、行方がわからなくなっている兵士も数千人いるとの見方を示しました。
一方、ロシア軍の死者についてはロシアの独立系メディアの「メディアゾナ」とイギリスの公共放送BBCが1月、これまでに確認されただけで9万19人にのぼるとして実際はもっと多い可能性があると伝えています。
紛争地や被災地などでインフラ建設や物資の調達などを行うUNOPS=国連プロジェクト・サービス機関でヨーロッパや中央アジアを担当するラードナー地域局長が、5日、都内でNHKのインタビューに応じました。
この中でロシアによる侵攻が続くウクライナの状況について「地雷や不発弾が広大な地域に残り、エネルギーや電力インフラは深刻な被害を受けている。あらゆる分野の復旧が必要で、その規模は第2次世界大戦後の復興に匹敵する」と述べ、被害が極めて深刻だという認識を示しました。
UNOPSは、日本政府から資金提供を受け、東部ハルキウで2023年から2024年にかけてロシア軍の攻撃を受けた集合住宅の修復事業を行っています。
ラードナー氏は「侵攻当初、市内の建物のほとんどの窓ガラスが破壊され、人々は、板で覆われ、光が差し込まない部屋で暮らさざるを得なかった。今は窓ガラスが取り付けられ、光が入り、部屋は暖かくなった。これは必要な支援のほんの一部に過ぎないが、こうした小さな希望のしずくはそこに暮らす人々にとって非常に重要だ」と強調しました。
そのうえで、日本について「戦後、国をゼロから再建した大きな経験がある。ウクライナでも同じことが必要で日本はその経験をもたらすことができる」と述べ、支援を続ける重要性を訴えました。
IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は4日、ウクライナの首都キーウでハルシチェンコ・エネルギー相と会談し、ロシアによる軍事侵攻で被害を受ける原発の状況を巡って意見を交わしました。
IAEAによりますと、ロシアが占拠するザポリージャ原子力発電所の周辺では、連日のように爆発音が報告され、1月には送電線が切断されたこともあったということです。
会談後の会見で、グロッシ事務局長は「原子力安全の観点からすると、送電網は重要だ。そこで混乱が生じれば、原発で停電が起きたようなものだ」と述べ、原発への電力供給など安全の確保に向け今週にもロシアを訪れて協議すると明らかにしました。
その上で、できるだけ早くザポリージャ原発を再び視察したい考えを示しました。
一方、ハルシチェンコ・エネルギー相はロシアによる電力関連施設への攻撃はこれまでにおよそ2000回に上るとした上で「エネルギー分野において、ウクライナはどの国も経験したことのない状況に直面している」と述べ、IAEAと協力しながら、電力の確保に向けた取り組みを進めると強調しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、4日に公開されたイギリスのジャーナリストのインタビューに対して、NATO=北大西洋条約機構の加盟まで時間がかかるとして「何が私たちをこの悪から守ってくれるのか」と述べ、加盟が認められるまでの間、ロシアの脅威から安全を確保するための手段が必要だと訴えました。
その上で、旧ソビエト時代に核兵器がウクライナに配備されていたことを念頭に「核兵器を返してほしい」と述べたほか、「ミサイルシステムを提供してほしい。100万人の軍隊のための資金援助をしてほしい」などと呼びかけました。
ゼレンスキー大統領としては、核兵器の保有にも言及することで、これまで求めてきたNATOに加盟する必要性を強く訴えるねらいがあるとみられます。
アメリカのトランプ大統領が戦争の終結に意欲を示し、停戦をにらんだ動きが今後、活発になるとみられる中、ウクライナは、NATO加盟をはじめ、ロシアが再び侵攻する事態が起きないような安全保障体制が重要だと訴えています。
ロシア軍は4日、ウクライナ東部ハルキウ州の重要拠点イジュームを攻撃し、地元の知事によりますとこれまでに5人が死亡し、子ども3人を含む50人がけがをしました。
攻撃にはロシア軍の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」が使われたと見られ、集合住宅や行政施設に被害が出たということです。
これについてゼレンスキー大統領は「このような残虐行為は許されない。軍事力、制裁、外交を通じてロシアに最大限の圧力をかけ、人命を守らなければならない」とSNSで訴えました。
一方、ウクライナ軍は、ロシア南部のボルゴグラード州にある製油所と、アストラハン州にあるガス精製施設を攻撃したと、3日、発表しました。
それぞれの地元当局は、無人機の攻撃を受けて火災が発生したとしていて、アストラハン州の現場で撮影された映像には、激しく炎が上がる様子が写っています。
ウクライナ軍は先月以降、ロシア軍に燃料を供給する戦略施設への攻撃を相次いで行っています。
ウクライナの首都キーウでは4日、3日の夜から降り始めた雪が積もり、朝からも雪が舞う天気になりました。
中心部の広場で展示されている、破壊されたロシア軍の戦車も雪に覆われ、分厚い上着を着て通勤する人の姿が見られました。
キーウの中心部にある教会の壁には、ロシアによる軍事侵攻で亡くなった兵士の写真が数多く貼られています。
朝から壁を訪れる人の姿が見られ、息子を亡くしたという夫婦は雪の舞う中、壁の空いたところに息子の写真を貼っていました。
母親は「亡くなったのは息子です。ロシアに死を」と話していました。