欧博百家乐給付金 減税めぐる議論活発に 消費税引き下げ議論も 与野党
立民 消費税率引き下げの議論開始
立憲民主党は11日、経済財政や税制調査会などの合同会議を開き、物価高が続く中での消費税の扱いをめぐって意見を交わしました。
この中で出席者からは「アメリカによる関税の影響が懸念される中、緊急的な経済対策として消費税の減税を打ち出すべきだ」など、消費税率を引き下げるべきだという意見が相次ぎました。
一方で「消費税率を引き下げるのであれば、減収となる分の代わりの財源もあわせて示すべきだ」という指摘も出されました。
出席者によりますと、11日の会議では、消費税率の引き下げに賛成する意見の方が反対より多かったということで、来週以降も引き続き議論を行って党としての方向性をまとめることになりました。
立憲民主党では、党内の議員グループが食料品を対象とした消費税率の引き下げなどを求めています。
末松義規衆議院議員らが立ち上げた勉強会は11日、会合を開き、消費税率を当分の間、5%に引き下げる一方、必要となる財源は歳出改革や法人税の引き上げなどによって確保するとした執行部への提言案をとりまとめました。
末松氏らは、提言の最終的な文言を調整した上で、執行部に対し緊急の経済政策として打ち出すよう申し入れることにしています。
一方、党内では江田元代表代行らも消費税の減税を目指した勉強会を立ち上げていて、物価上昇が続く当分の間は、緊急対策として食料品にかかる消費税をなくすことなどを求めています。
立憲民主党の野田代表は記者会見で、消費税の減税はアメリカの関税措置や物価高への対策となり得るかを問われ「関税措置の影響への対応はよく分析していかないといけない。ただ、物価高対策が依然として必要な中では、一つの政策の方向性だとは思う」と述べました。
また、公明党の斉藤代表が減税が実現するまでのつなぎの措置として現金給付を検討すべきだという考えを示していることについて「かつての3党合意の当事者からそういう発言が出てきたことは、今の状況への危機感のあらわれなのかもしれない」と述べました。
日本維新の会の前原共同代表は、11日夕方、総理大臣官邸を訪れ、林官房長官と面会し、維新の会としてまとめた緊急の関税・物価高騰対策を手渡しました。
この中では、食品にかかる消費税を5月から2027年3月までの時限措置として撤廃することや、ガソリン税の暫定税率の廃止、それに現役世代1人あたりの社会保険料を年間6万円引き下げることなどを求めています。
面会のあと前原氏は記者団に対し「物価高に苦しむ全世代への政策として、特にガソリンや社会保険料、コメの対策をやってもらいたいと伝えた。補正予算案に取り組むのであれば相談したいという話もあったので、政府・与党には提案をしっかりと飲み込んでほしい」と述べました。
国民民主党の榛葉幹事長は記者会見で「国難とも言える危機を乗り越えるために、しっかりと経済対策を打ってほしい。政府には消費税率の一律5%への引き下げなど、できることは全部やってほしい」と述べました。
国民 玉木代表 “消費税率 一律5%に引き下げを” 政府に要請国民民主党の玉木代表が10日、林官房長官に要請した内容はこちらから。
共産党の山添政策委員長は記者会見で「私たちは『トランプ関税』が問題になる以前から物価高で暮らしも大変なので消費税の減税を求めてきたが、その際、政府与党は一切応じなかった。『今頃か』というのが率直な感想だが、今からでも消費税は減税するべきで、税率を緊急に5%に引き下げることなどを求めていきたい」と述べました。
消費減税 与党内には慎重論も
消費税率の引き下げを求める意見は、今回の物価高やアメリカの関税措置を受けて、野党だけでなく、与党からも出ています。
ただ自民党内には、消費税の税収は社会保障の財源にあてられているという指摘や、消費税率の引き下げを実施する場合は法律の改正が必要となり時間がかかるという意見のほか、過去に2度引き上げが延期された経緯を踏まえると、いったん引き下げれば再び引き上げるのは容易ではないなどといった慎重論があります。
自民党の森山幹事長は、11日午後、記者団に対し「当初予算が成立しているので、その中でいろんな対応をしていくことが大事だ。何を減税するかは年末に税制調査会の議論で決めていくことだ。消費税の減税の議論があることは承知しているが、社会保障の財源をどこに求めるのかや社会保障のどこを国民に我慢してもらうのかと『対』でないと、下げる話だけでは国民に迷惑をかける」と指摘しました。
その上で「物価高対策で早急にできるのはガソリン価格への対応ではないか。6月から一定の金額を下げることは自民、公明、国民民主の3党の幹事長で合意している。10日でも15日でも早くできないか、いま模索している」と述べました。
公明党の斉藤代表は10日、物価高やアメリカの関税措置による家計や企業の負担を軽減するため減税が必要だと指摘した上で、減税が実現するまでのつなぎの措置として現金給付を検討すべきだという考えを示しました。
これについて斉藤氏は11日の記者会見で「減税が家計や企業の負担を抑え、経済対策として国民に安心を与えるのではないかという趣旨で申し上げた。減税の中身や方策はあらゆる選択肢をそ上に載せて検討しているところであり、特定の税目が念頭にある訳ではない」と指摘しました。
その上で、減税の実施時期について「税制関連法案を国会に提出して成立させることを考えれば来年度からが常識的だ。それまでの間の給付措置はできるだけ早い時期に実行する必要がある」と述べました。
一方、消費税の税収が社会保障の財源にあてられていることから、消費税率の引き下げを行う場合の対応を問われたのに対し「仮に消費税減税を考えるのであれば、代替の社会保障財源を同時に示すことは当然必要だ」と述べました。
公明党は、物価高騰を受けた家計への支援策として、減税や現金給付を念頭に置いた「還付」を実施するなどとした重点政策をまとめました。
物価高の克服、給料の引き上げ、社会保障の充実の3つを柱としていて、このうち、物価高騰への対応では、効果的な家計の支援策として減税や現金給付を念頭に置いた「還付」の実施、備蓄米の活用によるコメの価格の抑制、それにガソリン価格と自動車に関連する税の引き下げなどを盛り込んでいます。
また、最低賃金を5年以内に時給1500円に引き上げるほか、社会保障の充実では、妊娠や出産費用の無償化に加え、介護や保育に従事する人の処遇改善を行い、すべての産業の平均である38万円あまりに給与を引き上げることなどを打ち出しています。
林官房長官は午後の記者会見で「消費税は、急速な高齢化などに伴い社会保障給付費が大きく増加する中で全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置づけられており、政府として税率を引き下げることは適当ではないと考えている」と述べました。
その上で「今年度予算も成立したばかりであり、新たな給付金や減税といった補正予算や経済対策を検討している事実はないが、適切な対応を取っていきたい」と述べました。
そして「物価高への対応は、昨年度の補正予算や今年度予算に盛り込んだあらゆる政策を総動員して取り組む。アメリカの関税措置については、まず影響を十分に分析することが重要で、その上で必要な対策を講じていく」と説明しました。
消費税は1989年に税率3%で導入され、1997年に5%に引き上げられました。
その後、当時の民主党の野田政権が進めた社会保障と税の一体改革に伴い、2012年に民主党、自民党、公明党の3党が合意して、社会保障の財源にあてるため、税率を2段階で8%と10%に引き上げられることが決まりました。
第2次安倍政権のもとで2014年に予定どおり税率は8%に引き上げられましたが、個人消費の落ち込みなどを踏まえ10%への引き上げは2度、延期されました。
そして、2019年10月に現在の10%に引き上げられ、食料品などを対象に税率を8%に据え置く軽減税率があわせて導入されました。
10日の各党の発言をまとめています。