ウクライナ情勢 ロシアが軍事侵攻 戦況地図とともに詳しく 各国の外交や支援は(3月4日の動き)
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ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月3日の動き) ウクライナ情勢 戦況の解説記事はこちら トランプ大統領 ウクライナ軍事支援 一時停止を指示
アメリカのトランプ政権は、ロシアによる軍事侵攻を受けて行ってきたウクライナへの軍事支援を一時停止したことを明らかにしました。戦闘の終結に向けて、軍事支援が役立っているのかを確認するための措置だとしています。
アメリカのトランプ大統領は2月28日にホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談した際に激しい口論となり、予定していたウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名を見送りました。
こうした中、ホワイトハウス高官は3日、NHKの取材に対し、トランプ大統領がウクライナへの軍事支援を一時停止するよう指示したことを明らかにしました。
そして、「トランプ大統領は和平に焦点を当てることを明確にしてきた。関係国もその目標に向けて取り組むことが必要だ。われわれの支援が問題の解決に役立っていることを確認するために支援を一時的に停止し、検証している」とコメントしました。
また、アメリカのメディア「ブルームバーグ」は国防総省の高官の話として、軍事支援の停止は、トランプ大統領が、ウクライナのリーダーが平和に対する誠実な決意を示したと判断するまで継続されるとしています。
まだウクライナに届いていないすべての軍事支援が一時停止の対象になるとしていて、航空機や船舶で輸送中の兵器や、隣国のポーランドに運び込まれたものも含まれるということです。
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キーウ市民から不安の声
ウクライナの首都キーウで60代の女性は、NHKの取材に対して「この状況にショックを受けている」と話していました。
また、20代の男性は「覚悟していた」とした一方で、「不確実な情勢となった。兵役に就いている友人たちのことが心配だ。彼らが生きのびてウクライナが自由を維持することを願っている」と話していました。
ウクライナ政府から公式な反応は出ていませんが、ゼレンスキー大統領は3日、「ヨーロッパのパートナーとともに、特別な外交・安全保障の枠組みについて引き続き取り組んでいる」と述べ、ヨーロッパとの連携をいっそう重視する考えを強調しました。
また、ウクライナの議会にあたる最高会議は3日、トランプ大統領などに向けたメッセージを公開し、これまでの支援に「深い謝意」を示した上で、「支援は、ウクライナの安全保障や軍にとって、そしてヨーロッパの安全と安定を確保する上でも、これまで以上に重要だ」として支援の継続を求めていました。
岩屋外務大臣は記者会見で「政府として重大な関心を持って注視しているが、事態がまだ流動的なので、現時点で予断を持ってコメントすることは時期尚早だ」と述べました。
その上で、先に行われたアメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談について「ああいう形になってしまったのは残念だが、必ずしも悲観はしていない。和平を探っていくのは容易な道のりではなく、これもひとつの過程だと受け止めたい。アメリカのイニシアチブで、こう着していた事態が動き出したことは事実であり、いい形で結実するように国際社会がまとまっていかなければいけない」と述べました。
アメリカのトランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキ―大統領が「ロシアとの停戦合意にはほど遠い」と述べたとしたうえで「最悪の発言だ」と非難しました。トランプ政権は停戦に向けたウクライナ側の姿勢を疑問視しており、対立が解消する見通しはたっていません。
AP通信は、ウクライナのゼレンスキ―大統領が訪問先のイギリスで2日、「ロシアとの停戦合意に達するにはほど遠い」と述べたと伝えました。
これについて、アメリカのトランプ大統領は3日、SNSに「最悪の発言だ。アメリカはもう長くは我慢しない。この男は、アメリカの後ろ盾がある限り、平和を望んでいない」と投稿し、停戦に向けたゼレンスキ―大統領の姿勢を激しく非難しました。
両国関係をめぐっては、2月28日の首脳会談で口論に発展し、予定していたウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名も見送られ、その後もトランプ政権は停戦に向けたウクライナ側の姿勢を疑問視するなど、対立が解消する見通しはたっていません。
一方、ゼレンスキー大統領が訪問したイギリスでは、スターマー首相が、停戦後の平和を守るため有志連合を結成する考えを示したほか、フランスのマクロン大統領は、まずは海や空での戦闘、それにエネルギー施設への攻撃を停止する1か月間の停戦を行い、和平が実現すれば、平和維持部隊を派遣する考えを明らかにしています。
両首脳は、アメリカによる安全の保証が必要だという考えも強調し、アメリカとウクライナの関係を修復できるかが焦点となっています。
アメリカのトランプ大統領は3日、SNSへの投稿で、「ヨーロッパはゼレンスキー氏との会合でアメリカなしでは仕事ができないとはっきりと表明した。ロシアに対する強さを示す意味ではあまり良い発言ではない。何を考えているのか」と非難しました。
ウクライナの安全の保証をめぐって、トランプ政権は、ヨーロッパがいっそうの役割を果たすべきだと主張しています。
アメリカとウクライナの首脳会談が激しい口論に発展し、予定していた鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名も見送られたことについて、アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に話を聞きました。
この中で口論となった背景について「トランプ大統領はあの場を自分の支持層向けにウクライナから鉱物資源を勝ち取った場としたかった。一方、ウクライナ側はアメリカに鉱物資源を半永久的にプレゼントするだけだったら、安全が守られないというところがあった。国の命運をかけた外交をゼレンスキー大統領は行っていた」と述べ、会談を巡って、双方の思惑が大きく異なっていたと指摘しました。
その上で「あの場でトランプ大統領とバンス副大統領を怒らせないためには、『ロシアとしっかり話をする』といった絶対に言えないことを言うことだった。ゼレンスキー大統領の後ろには家族が亡くなったウクライナ人がいるわけで、その人たちの声を代弁しないといけなかった」と述べ、ゼレンスキー大統領が国民の声を代弁する道を選んだことで、激しい口論につながったという見方を示しました。
そして、口論が起きた場面については「トランプ大統領はゼレンスキー大統領がいかに、いこじでロシアとの平和交渉に全く興味がなく、自分の主張をする男だと支持層向けにPRした。ゼレンスキー大統領にとっては大きなマイナスになった」と指摘し、関係の修復に向けては、ゼレンスキー大統領が厳しい立場に立たされていると分析しています。
アメリカのトランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキ―大統領との会談に合わせて署名する予定だった鉱物資源の権益をめぐる協議について、ウクライナとの間で継続させることに前向きな考えを示しました。
トランプ大統領は2月28日にホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領と会談した際に口論となり、予定されていたウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名が見送られました。
トランプ大統領は3日、記者団から、この協議の先行きについて問われたのに対し「われわれにとってすばらしい取り引きだ」と述べてウクライナとの間で協議を継続させることに前向きな考えを示しました。
そして4日、日本時間の5日午前に連邦議会で行う施政方針を示す演説で、協議についての考えをさらに説明すると述べました。
またトランプ大統領は、協議の再開のためにゼレンスキー大統領にどのような対応を求めるかについて「アメリカはどんな時も彼らとともにいたのだからもっと感謝するべきだ」と述べてアメリカの支援への感謝が必要だと強調しました。
さらにアメリカメディアが、アメリカが今後、予定しているウクライナへの武器の輸送をとりやめる可能性もあると伝えていることについて、記者団から「すでに決定したのか」と問われたのに対し「今はそのことについて話してもいない。どうなるか様子を見ている」と述べました。
イギリスのスターマー首相はウクライナの鉱物資源の権益について3日の議会で質問され、アメリカと合意したとしてもウクライナにとっては「鉱物資源の合意だけでは十分ではない」と述べ、安全の保証には不十分だという考えを示しました。
アメリカのトランプ大統領は先月28日のゼレンスキー大統領との会談で、合意によってアメリカの関与が深まることがロシアの行動を思いとどまらせ、ウクライナの安全につながると主張していました。
スターマー首相としてはこうした合意以上のアメリカによる安全の保証が和平のためには不可欠だという立場を改めて強調した形です。
ロシア連邦捜査委員会のバストルイキン委員長は、ロシア国営タス通信が3日、報じたインタビューで、ウクライナへの軍事侵攻を開始してから、これまでの3年間でウクライナ軍の攻撃を受けて、子ども23人を含む652人のロシア市民が死亡し、2980人がけがをしたと述べました。
これらはロシアが軍事侵攻を行っている地域以外での死傷者の数だということで、ロシアが一方的に併合したウクライナの4つの州や南部クリミアは含まれていないとみられます。
また、バストルイキン委員長はウクライナ側には70以上の国から、およそ3300人の外国人の義勇兵が加わって戦っているという情報があるとした上で、カナダとジョージア、そしてイギリスからそれぞれおよそ700人が参加しているなどと主張しています。
アメリカのホワイトハウスで安全保障政策を担当するウォルツ大統領補佐官は3日、FOXニュースに出演し「ゼレンスキー大統領から聞きたいのは、起きてしまったことへの後悔の念であり、また『鉱物資源の権益をめぐる合意に署名する用意がある』とか『和平に向けた交渉に取り組む用意がある』ということばだ」と述べました。
そのうえで「ロシア、ウクライナ双方が合意に向け譲歩する気があるかどうかが試される」と述べ、ゼレンスキー大統領に対しても、譲歩を含めて交渉に応じる覚悟を求めました。
AP通信は、ウクライナのゼレンスキ―大統領が訪問先のイギリスで2日「ロシアとの停戦合意に達するにはほど遠い」と述べたと伝えました。
これについて、アメリカのトランプ大統領は3日、SNSに「最悪の発言だ。アメリカはもう長くは我慢しない。この男は、アメリカの後ろ盾がある限り、平和を望んでいない」と投稿し停戦に向けたゼレンスキ―大統領の姿勢を激しく非難しました。
両国関係をめぐっては、先月28日の首脳会談で口論に発展し、予定していたウクライナ国内の鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名も見送られ、その後もトランプ政権は停戦に向けたウクライナ側の姿勢を疑問視するなど対立が解消する見通しはたっていません。
ロシア外務省は日本が行っている制裁への対抗措置だとして、岩屋外務大臣をはじめ日本の団体や企業の代表合わせて9人に対し、ロシアへの入国を無期限で禁止すると発表しました。
ロシア外務省は3日、「ロシアの特別軍事作戦に対して日本政府が行っている制裁への対抗措置だ」として、合わせて9人に対し、ロシアへの入国を無期限で禁止すると発表しました。
対象となったのは、
▽岩屋外務大臣をはじめ
▽ウクライナに駐在する日本の中込大使、
▽前の駐ウクライナ大使の松田氏、そして
▽JICA=国際協力機構の理事などです。
また、企業関係者では、
▽大手機械メーカーIHIの社長や、
▽いすゞ自動車の社長などが含まれています。
ロシアはウクライナへの侵攻開始以降、これまでに、日本の国会議員や企業関係者などを対象に合わせて460人に上る個人を入国禁止とする措置をとっていて、石破総理大臣もすでにこの対象となっています。
岩屋外務大臣は記者会見で「ロシア側は、日本の制裁措置への対応と説明していると承知しているが、わが国の措置はすべてロシアによるウクライナ侵略に起因してとられており、日本側への責任転嫁は全く受け入れられない」と述べました。
その上で「日ロ関係は、現在、厳しい状況にあるが、外交当局間では、解決しなければならない懸案事項は山積しているので、ロシアとの意思疎通が必要なこともある。そのような観点からも、今回、私が入国禁止となったことは、誠に遺憾に思っており、近々、遺憾の意をしっかり申し入れたい」と述べました。
青木官房副長官は記者会見で「国際社会でさまざまな動きが続いており、政府としても多大な関心を持って注視している。アメリカを含む各国による外交努力が国際社会の結束のもと、戦闘行為の終結と一日も早い公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要だ」と述べました。
その上でウクライナへの支援については「国際社会と連携しながらさまざまな分野で継続する」と述べたほか、ロシアへの制裁については「何が効果的かという観点から、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携して対応する」と説明しました。
韓国の与党「国民の力」の国会議員は、ロシア西部クルスク州でウクライナの捕虜になった北朝鮮兵2人と2月25日に面会し、その際に聞き取った内容を音声記録とともに4日、公表しました。
それによりますと、捕虜の1人は今後について「韓国に必ず行きたい」と述べ、韓国に行く考えを明確に示したということです。
ただ、この捕虜は「私は北の出身でもあり、捕虜でもあるので、家庭を持つのはかなり難しいのではないか」とも述べ、韓国での生活への不安も吐露したということです。
一方、もう1人の捕虜は韓国に行くことについて「少し考えてみないといけない」などと慎重な姿勢を示したということです。
また、「捕まること自体が祖国への裏切りになる」と話し、みずからも自爆するための手りゅう弾を持っていたほか、自爆した北朝鮮兵を数多く見たと証言したということです。
捕虜となった北朝鮮兵の対応をめぐり、韓国外務省はこれまで「韓国に行くと要請があった際には、全員受け入れるという基本原則に従って必要な保護と支援を提供する」として、ウクライナ側と協議する方針を示しています。
2月行われたアメリカとウクライナの首脳会談が激しい口論に発展し、対立が深まっていることをめぐって、台湾の国防部のトップは、トランプ政権のもとでもアメリカによる台湾への関与は揺るがないという考えを示しました。
先月28日に行われたアメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との会談では、ロシアに対する外交姿勢などをめぐって激しい口論に発展し、両首脳の間の対立が深まりました。
この会談について、台湾の顧立雄国防部長は3日NHKなどのメディアに対して、「国益について語らないわけにはいかず、アメリカも当然、自国の利益を重視していると認識している」と述べました。
そして、「アメリカがインド太平洋地域から撤退することはありえない。それがアメリカの核心的利益だからだ」と強調しました。
その上で、「台湾海峡の現状維持はわれわれとアメリカのコンセンサスであり、共通の目標だ」として、アメリカによる台湾への関与は揺るがないという考えを示しました。
台湾では、ウクライナの現状を踏まえ、アメリカ第一主義を掲げるトランプ政権が台湾有事に際して介入するか疑問視する声があることから、顧部長の発言はこれを打ち消すねらいもあるとみられます。