欧博官网愛媛 山林火災 延焼続く 避難指示地域は拡大 今治市のほぼ全域で停電のおそれも
23日に発生した山林火災は、今も延焼が続いています。
市によりますと、焼けた面積は25日午後4時時点で少なくとも約214ヘクタールで、平成元年以降に県内で発生した林野火災としては最大の焼損面積になっています。
火は弱まらず、さらに延焼しているということで、市によりますと、市内にある住宅7棟と倉庫2棟の計9棟が全焼したということです。
市は避難指示を拡大していて、現在は▽長沢地区▽朝倉北地区▽緑ヶ丘団地地区▽郷桜井地区の一部▽旦地区▽桜井小学校区の計2973世帯5836人に避難指示を出しています。
市によりますと午後8時時点で、▽桜井公民館▽朝倉公民館▽朝倉小学校などに計85世帯179人が避難しています。
隣接する西条市は▽楠河地区楠・六軒家に避難指示を出しています。
気象庁によりますと、今治市では乾燥注意報が出ていて、26日にかけて空気の乾燥した状態は続く見込みです。
今治市を含む東予では、陸上の最大風速は26日にかけて9メートル以下と予想されているほか、海上では26日午前中にかけて10メートルとやや強い風が吹く見込みです。
一方、27日から28日にかけては県内で雨が降る見込みです。
山林火災を受けて25日夕方、四国電力送配電松山支社の植原宣和支社長などが記者会見を開きました。
それによりますと、今治市内を通る2つの送電線のうち、沿岸部に近い「桜井線」は現場での消火活動に支障が出ないよう、24日から段階的に電気の供給を停止していて、今治市内にはもう1つの「今治線」で電気を供給しているということです
今治線は山の近くを通るため、今後火災の影響で電気の供給ができなくなった場合には、今治市のほぼ全域にあたる約7万6000戸が停電するおそれがあるということです。火災は今治線から約1キロの範囲まで迫っているとしています。
このため会社は、四国にある発電機車24台を今治市内に移動させる手配などを進めていますが、「懐中電灯の準備や携帯電話の充電など、万が一の停電に備えてほしい」と呼びかけています。
愛媛県は25日午後6時半から災害対策本部会議を開き、中村知事が今治市と西条市に対して、住民への避難の呼びかけを粘り強く続けるよう要請しました。
会議には両市もリモートで参加しました。この中で県の担当者は、午後5時過ぎに総務省消防庁に対して、緊急消防援助隊の出動を要請したことを明らかにしました。広島県や香川県などから約300人が消火活動の応援に入る見込みだということです。
会議の最後に中村知事は「強風と乾燥で火の粉が飛び火して、新たな火災が発生するという状況が続いている。今治市、西条市にはたとえ無駄足になっても、避難を粘り強く呼びかけ続けてほしい」と述べました。
さらに「被害状況を把握するための情報収集、共有が大事だ。関係機関と緊密に連携し、県庁の全部局が緊張感を持って対応にあたってほしい」と述べました。
市消防本部によりますと、25日午後1時半ごろ、今治市にあるJR予讃線の伊予桜井駅の付近で火災が発生し、消防が消火活動にあたっています。
駅周辺には避難指示は出ていませんが、山林火災の現場に近く、付近には住宅が広がっています。
25日午後1時43分現在、予讃線の伊予西条と今治の間の上下線で運転を見合わせています。
今回の山林火災で焼けた範囲を、愛媛県災害対策本部の発表資料をもとに作成した地図で見てみます。
24日午後2時半ごろの時点では、火災が起きた場所を中心に約145ヘクタールが焼けていました。
その後、さらに範囲は広がっていて、25日午前7時半前には約214ヘクタールに広がっています。
24日の時点で焼けていた場所からさらに拡大しているほか、北東側の避難指示が出ている緑ヶ丘団地地区の近くにも焼けた場所があります。さらに、南側にも広がっている地点が複数あります。
NASA=アメリカ航空宇宙局の人工衛星がとらえた地上の熱源のデータでは、23日から25日にかけて、今治市の山林火災のものとみられる熱源が広がっていく様子が確認されています。
このデータは最高375メートル四方の広さで識別できる解像度で地上の熱源を観測したもので、山林火災のおおよその頻度や位置などを把握するために利用されています。
NHKがデータをもとに可視化し、日ごとにまとめた地図からは、火災が発生した23日、今治市長沢の辺りに熱源を示す赤い場所が現れます。
翌日の24日には、その範囲がやや南に移っている様子が見て取れます。
さらに25日未明には熱源がもともとの場所から北と西、そして南に移った状況が確認できます。
また、NHKがアメリカの企業プラネットから独自に入手した、25日午前8時ごろ撮影された衛星画像では、緑ヶ丘団地地区、朝倉北地区、西条市の楠河地区楠・六軒家に近い3か所から、山林火災のものとみられる白い煙が上がっている様子が確認できます。
公民館に避難した人は
今治市の朝倉公民館には複数の住民たちが避難していて、25日午前、テレビや新聞で火災のニュースを確認していました。
このうち、緑ヶ丘団地から避難してきたという68歳の男性は「昨夜、職場から着の身着のままで来ました。火災の影響で自宅のガスがとまっています。風呂に入りたいです」と話していました。
77歳の男性は「あまり眠れませんでした。家のすぐそばまで火が来ていて怖かったです。貴重品や妻の位はいを持ってきました」と話していました。
緑ヶ丘団地地区では25日昼前、住宅地の近くの山から白い煙があがっていて、地元だけでなく伊予市や大洲市など県内各地の消防隊員が声をかけ合いながら、消火活動にあたっていました。
地区には避難指示が出されていますが、市は安全が確保できると判断できる場合は、自宅に戻ることを認めていて、防災士だという70代の男性は衣服を取りに自宅に戻りました。
男性は「昨夜は避難所から山が赤く燃えているのが見えました。とても怖かったです。みんなこの先どうなるだろうと不安でいっぱいでした」と話していました。
今治市の旦地区にある特別養護老人ホーム「唐子荘」では、山林火災の火が近くの裏山にまで迫り、避難指示を待たず、自主的に入所者を避難させました。
避難させたのは、車いすなどを利用している入所者約50人で、全員を車で15分ほどの距離にある別の老人ホームに移動させたということです。
避難を受け入れた橋田数永副施設長は「大変な状況ですが、これから寝る場所の確保を進めたいと思っています。とにかく皆さんには健康第一で体調を崩さないように注意したいと思います」と話していました。