欧博娱乐岩手 大船渡 山火事 初めてまとまった雨 市「延焼を食い止める効果が少なからずあった」との見
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【発生1週間】大船渡 山林火災 なぜ延焼続く?鎮火のめどは?
先月26日に岩手県大船渡市で山林火災が発生してから5日で1週間となります。
焼失した面積は5日午前6時の時点で、さらに300ヘクタール広がり、およそ2900ヘクタールに拡大していて、大船渡市の面積の9%にのぼっています。
大船渡市では5日午前から雨が降っていて、降り始めからの雨の量は午後5時の時点で17ミリと、先月26日の火災発生以降、初めてまとまった雨が降っています。
こうした中、消防による2000人規模の地上からの消火活動は続けられていますが、天候不良のため、自衛隊や自治体のヘリコプターによる上空からの消火活動は実施されませんでした。
5日夕方、会見を開いた大船渡市は、まとまった雨が降っていることについて、上空からの調査ができておらず、詳しい状況はわからないとしながらも、地上の消防隊からの情報でさらなる延焼は確認されていないことを明らかにしました。
こうしたことから市は「きょうの雨が延焼を食い止める効果が少なからずあった」という見方を示しました。
また、建物の被害について、これまでは地区の延焼状況からの推計として少なくとも84棟としてきましたが、一部の地域で現地調査などを行った結果、これまでに78棟の住宅や空き家、作業場などで被害を確認したことを明らかにしました。
被害が確認されたのは
▼三陸町綾里の
▽小路地区で16棟 ▽石浜地区で9棟 ▽田浜地区で9棟 ▽港地区で19棟 ▽岩崎下地区で4棟 ▽宮野東地区で3棟
▼赤崎町 外口地区で18棟です。
確認できていない場所もあり、建物の被害がさらに増える可能性もあるとしています。
大船渡市の雨は6日にかけて降り続く見通しで、大船渡市を含む岩手県の沿岸南部では、6日夕方までの24時間に20ミリの雨が降ると予測されています。
山林火災が続いている岩手県大船渡市でまとまった雨が予想されていることについて専門家は、予想どおりの量になれば地中に雨がしみこみ鎮圧に向けて大きく進む一方、再び晴れの日が続くと落ち葉が乾燥して火災のリスクが上がるため今後も火の取り扱いに注意するよう呼びかけています。
被害が拡大している要因について森林総合研究所の玉井幸治研究ディレクターは空気の乾燥や強風といった火災のリスクの高い状態が続き、落ち葉など地表が燃えただけでなく木の枝葉全体が燃える樹冠火も発生し延焼のスピードが上がったためと分析しています。
大船渡市では5日になって雪や雨が降っていて正午までに6ミリの雨を観測したほか、6日の昼までの24時間におよそ40ミリのまとまった雨が降ると予想されています。
この雨の効果について玉井さんは「数ミリ程度の雨だと枝葉にさえぎられたり落ち葉を湿らしたりして終わるが、数十ミリ降れば地中に水がしみこんで火種を消すことにもつながる。鎮圧に大きな進展がある」と話しています。
そのうえで「この時期はまだ落葉樹が芽吹いていないので林床に届く光の量が多い。晴れた日が2、3日続くと落ち葉が乾燥して再び火災のリスクが上がるため、火の取り扱いには今後も注意が必要だ」と呼びかけています。
避難している人たちからは、自宅の被害や今後の生活を心配する声とともに降りだした雨に期待する声も聞かれました。
家族で避難所に身を寄せている大船渡市赤崎町の20代の男性は「自宅は火災が広がった地域にあるのでまずは家が無事か知りたいです。毎日、対岸から自宅の方向を見ていますが、現地に行かないとどうなっているか分からず、不安です。今は雨が弱いですが今後も降り続いて早く状況が落ち着いてほしいです」と話していました。
同じく赤崎町から避難している60代の男性は造船の仕事をしていますが、避難指示が出ている地域に職場があり、仕事ができなくなっているということです。
男性は「当初はすぐ消火されると考え、こんなに長引くとは思っていませんでした。仕事は納期が決まっており、いつ再開できるか心配です。家を失った人もいるので、仮設住宅などの生活拠点が確保できるよう、早くから取り組んでほしいです」と話していました。
また、三陸町綾里から妹と2人で避難している40代の女性は「避難生活でストレスがたまって夜中に目が覚めるので音楽を聴くなどして過ごすようにしています。両親の位はいなど何もかも置いたまま避難したので、せめて何か燃え残っていないか確認しに行きたいです」と話していました。
大船渡市の渕上清市長は5日夕方の会見で、火災の発生以降、初めてまとまった雨が降っていることについて「本日の雨を境に、なんとか鎮圧に向かってほしいと願う。また遠くない時期に安全が確認された地域から帰れるようになることを祈っている」と話しました。
また午前の会見では「最大級の消防力で抑止や鎮圧、消火にあたっているが、延焼が1週間におよび、困難を極めている」と述べました。
そのうえで避難している住民に対し「必ず鎮圧、鎮火に向かうので、帰れる時が来る。健康を守って体調をしっかり管理してもらい、元気に帰るということをともに目指していきたい」と呼びかけました。
大船渡市によりますと山林火災は先月26日に市の南東部にある赤崎町の合足地区で発生し、その東隣にある三陸町綾里など広い範囲に拡大しました。
市が5日午後5時に開いた会見での発表によりますと三陸町の綾里と越喜来のほか
▽赤崎町の北部にも燃え広がったということです。
大船渡地区消防組合によりますと三陸町では火が
▽綾里の砂子浜地区や小石浜地区の沿岸部のほか
▽越喜来の甫嶺地区の山林に広がったのが確認されています。
赤崎町では
▽永浜地区と
▽蛸ノ浦地区の山林に延焼したということです。
6日以降も、消防や自衛隊が消火活動にあたるとともに、降り続く雨によって鎮火に向かっているのか火災の状況について詳しく調べることにしています。
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現場は今 上空からの映像【動画】
4日午後4時ごろ、岩手県大船渡市の現場上空からNHKのヘリコプターが撮影した映像です。このときも現場の山林からはいくつもの白い煙が上がっていました。
三陸町越喜来 鬼沢地区【動画】
大船渡市の東部にある三陸町越喜来です。
南側に位置する鬼沢地区の漁港付近では住宅のすぐそばまで火が迫っていました。
道路を挟んだ住宅の向かい側にある木が燃えていました。
近くでは消防がホースを伸ばして消火活動を行っていました。
三陸町越喜来の南にある三陸町綾里です。
東側に位置する殿畑地区では、道路脇にある建物を取り囲むように草木が燃えていました。
周囲の草木は黒く焦げていて、なかには、焼けた建物のがれきのようなものもありました。
三陸町綾里の三陸B&G海洋センターの南西方向にある住宅が建ち並ぶエリアでは、多くの建物に被害が出ていました。
このエリアは山林に隣接していて、建物が焼けて崩れ落ちていたり、屋根がなくなって壁だけになっていたりしていました。
この付近から北に500メートルほどの場所には綾里小学校があり、校庭には多くの消防車両が集結していました。
三陸町綾里の綾里漁港の西側にある山林に囲われたように住宅が建つエリアでは、複数の建物が崩れていました。
山林沿いの建物に被害が集中していました。
三陸町綾里の西にある赤崎町です。
南側に位置する外口地区では林の周囲にある複数の建物に被害が出ていました。
焼け落ちて黒く焦げているような場所もありました。
林の一部が焼けたような状況も見られました。
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緊急消防援助隊 15都道県から出動して消火活動【動画】 仙台市消防局提供の映像
総務省消防庁は周辺の自治体などに対して「緊急消防援助隊」の出動を求めていて、5日午後2時の時点で、宮城県、山形県、青森県、福島県、栃木県、秋田県、新潟県、茨城県、東京都、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、北海道、静岡県の15都道県にのぼっています。
活動の規模は、545隊2030人で気象状況をみながら消火活動が行われています。
仙台市消防局が3日午前1時ごろに消火活動の現場で撮影した映像は、大船渡市赤崎町の合足地区で道路脇から激しく燃えている木々に向かって消防隊員たちが放水しています。
同じ地区で撮影された別の映像では、山の斜面の下草が広い範囲で燃えて煙が立ちこめているほか木の幹も燃えているのが確認できます。
「緊急消防援助隊」として活動している東京消防庁が4日から5日朝にかけて現場で撮影した映像です。
大船渡市三陸町で木や草に燃え移った火が住宅のすぐそばまで迫るなか、消火活動にあたる様子や、夜間も照明をつけながら放水を行う様子などが映っています。
東京消防庁によりますと、これまでに241人の隊員と41台の消防車両を派遣し、現地では24時間態勢で活動にあたっているということです。
避難生活を送るワカメ漁師の熊谷建汰さんは5日、自宅があり避難指示が出ている甫嶺地区に漁船で近づき、集落の様子を確認しました。
自宅は無事だとみられることが確認できたものの、3日と比べて自宅のすぐ近くまで煙が迫っていたということです。
熊谷さんは、ワカメ漁を今月1日から始める予定でしたが自衛隊などの消火活動が続いているため、今シーズンの収穫を断念することも視野に入れているということです。
熊谷さんは「自分の目で見てみないと自宅の被害の有無はわからないので確認した。早い鎮火を願っている」と話していました。
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今月末までのカキ 避難指示で水揚げできず
大船渡市赤崎町でカキの養殖を営む鳥澤富蔵さん(64)は、自宅や養殖場のある地区に避難指示が出されているため水揚げができない状況が続いています。
鳥澤さんは、赤崎町でカキの養殖をおよそ20年にわたって行っています。
しかし、今回の山林火災で自宅や養殖場のある地区に避難指示が出されたため、カキの水揚げができなくなってしまったということです。
鳥澤さんによりますとカキを水揚げして出荷できるのが今月末までだということで、もし、火災が続いて今月中に出荷できなければおよそ200万円の損失が出る恐れがあるということです。
鳥澤さんは避難指示が出されてから毎日のように赤崎町の対岸にある漁港などを訪れて、養殖場やカキの殻むきなどを行う作業場に火が回っていないか見ています。
鳥澤さんは「先が見通せず心配で早い鎮火を願っています。見えている範囲では養殖場などに被害はないようです。東日本大震災のときのようになんとか生活できるようにとにかくみんなで協力していきたい」と話していました。
大船渡市三陸町綾里では山林火災の影響で全域に避難指示が出されているため、最盛期を迎えている特産のワカメの収穫ができなくなっています。
水産会社を経営する佐々木晶生さんは、山林火災が発生する前に収穫し、避難指示の区域外で保管していたワカメを販売しようと箱詰めの作業にあたっています。
5日朝は従業員などがおよそ400キロのワカメを袋に小分けして箱に詰めていきました。
箱詰めしたのは通常よりも早い時期に収穫した「早採りわかめ」で、東京・銀座にある岩手県のアンテナショップで販売し、売り上げの一部を市に寄付するということです。
佐々木さんは「毎日、山林火災を見ていてストレスや不安がたまり、このままではいけないと思い始めました。復興につなげていきたいです」と話していました。
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外国人労働者の避難場所 独自に開設する動きも
避難指示が出ている地区にある水産会社では、外国人の従業員向けに独自の避難場所を設けています。
市内の大手水産会社「鎌田水産」では、先月27日に主力工場がある赤崎町蛸ノ浦地区に避難指示が出たあと、地区内に住む外国人の従業員およそ40人に対し、会社が借りている旅館の部屋を一時的な避難所として無料で開放しています。
また、こうした支援を知った地元の人たちから寄せられたコメや野菜などを外国人従業員に配っているということです。
「鎌田水産」の鎌田仁社長は「外国人であれば、困難な状況で感じる不安は日本人以上に大きいし、避難場所がなければ行き場に困っただろう。できるだけ安心して過ごしてもらいたい」と話していました。
岩手県では公立高校の入学試験が5日から始まり、山林火災が続く大船渡市にある大船渡高校でも試験が行われました。
5日朝は雨が降る中、受験生たちが保護者に車で送ってもらうなどして高校の敷地内に入っていきました。
試験会場の教室では、参考書やノートの内容を確認したり深呼吸したりするなど、緊張した面持ちで試験の開始を待っていました。
県内の公立高校の入学試験は6日まで行われます。
石破総理大臣は参議院予算委員会で、国が復旧にかかる費用を支援する「激甚災害」への指定を検討しているのか問われ「もちろん視野には入っている。衛星写真を活用するなど可能なかぎり簡易、迅速、適切な査定を考えていきたい。被災者の方々に安心してもらい自治体の金銭負担も少なくて済むような迅速かつ適切な対応を政府として心がけていきたい」と述べました。