大雪警戒を 1月8日~10日にかけて 日本海側中心に積雪急増も
冬型の気圧配置と上空の強い寒気の影響で、10日にかけて本州の日本海側を中心に平地でも大雪となる見込みです。特に北陸と新潟県、それに東北の日本海側では、9日以降、積雪が急増するおそれがあり、気象庁は、積雪や猛吹雪による交通への影響に警戒するよう呼びかけています。
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11日にかけ日本海側で大雪の見込み 警戒を
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気象庁によりますと、冬型の気圧配置と上空の強い寒気の影響で、日本海側の山沿いを中心に雪が降り続いています。
8日午後8時までの24時間に降った雪の量は、
▽新潟県魚沼市守門で57センチ
▽岐阜県白川村で47センチ
▽福井県大野市九頭竜で46センチなどとなっています。
また、福島県西会津町では午後8時までの3時間に17センチの雪が降り、局地的に雪が強まっています。
これから寒気の流れ込みが強まり、10日にかけて冬型の気圧配置が続くため北日本から西日本の日本海側を中心に雪が降り続き平地でも大雪となる見込みです。
特に北陸と新潟県、それに東北の日本海側では、帯状の雪雲を作り出す「JPCZ」の影響で活発な雪雲が断続的に流れ込み、局地的に積雪が急増するおそれがあります。
9日夕方までの24時間に降る雪の量は、いずれも多いところで、
▽東北と新潟県、岐阜県で70センチ
▽北海道、北陸、中国地方で60センチ
▽長野県と近畿で30センチと予想されています。
その後、10日夕方までの24時間には
▽東北、新潟県、北陸、岐阜県、それに中国地方で70センチ、
▽北海道、長野県、近畿で50センチの雪が降る見込みで、その後も積雪が増えるおそれがあります。
また、寒気が西日本にも流れ込むため、ふだん雪が多くない四国や九州でも積もるところがある見込みです。
9日夕方までの24時間に降る雪の量はいずれも多いところで、
▽四国で30センチ、
▽山口県で25センチ、
▽九州北部で10センチと予想されていて、
その後、10日夕方までの24時間には
▽四国と山口県で30センチ、
▽九州北部で10センチの雪が予想されていて、平地でも大雪のおそれがあります。
風も強まり、北日本から西日本の日本海側では海上を中心に非常に強い風が吹き、陸上でも吹雪となって見通しが悪くなる見込みです。
気象庁は、積雪や路面の凍結などによる交通への影響に警戒するとともに、屋根からの落雪やなだれ、電線や樹木への着雪による停電に十分注意するよう呼びかけています。
8日午前11時時点の警戒が必要な時間帯は次の通りです。
北海道では低気圧が近づくため8日夜から9日にかけて暴風雪警報の可能性が高くなっていて、9日は大雪警報の可能性もあります。
東北は8日夜から10日にかけて大雪警報の可能性が高くなっています。
関東甲信は9日朝から10日にかけて。
北陸は10日にかけて大雪警報の可能性があります。
東海は岐阜県で9日から10日にかけて大雪警報の可能性が高くなっています。
近畿は10日。
中国地方では10日にかけて大雪警報の可能性があります。
雪の災害に詳しい専門家は10日にかけての寒波について、短時間で急激に雪が強まるおそれがあるほか、日本海側の平地では湿った重い雪が降り、倒木などによる停電や通行止めのおそれがあるため、食料やモバイルバッテリーなどを準備しておくよう呼びかけています。
積雪 短時間で急増 立往生のリスクも
防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの中村一樹センター長は今回の寒波について、「JPCZ」=「日本海寒帯気団収束帯」の影響で本州の日本海側では短時間で積雪が急増するおそれがあると指摘しています。
このため道路の除雪が追いつかなくなって、事故が起きやすくなったり、車が動けなくなったりするおそれがあり、立往生が発生するリスクもあると指摘しています。
湿った雪 倒木や電線が切れるおそれも
また、今回は日本海側の平地を中心に気温が0度前後やそれ以上になると予想されていて、「湿った重い雪」が降る地域が多くなるとみています。
傾いた木や電柱に着雪すると、倒木によって道が塞がれたり、電線が切れて停電が起きたりするおそれもあるとして、大雪が予想されている間は外出を控えることを検討するとともに、停電や孤立した場合に備えて雪が強まる前に防寒着や食料、薬、モバイルバッテリーなどを準備しておくよう呼びかけています。
なるべく外出しない 雪下ろしは落ち着いたあとで
中村センター長は「雪の災害で最大のリスクを回避する方法というのはなるべく外出をしないことだ。今回はエリアによってたくさんの雪が1度に集中的に降るおそれがあり、危険から身を守ることを第一に考えてほしい」と話していました。
また、長期間の雪が予想されていて、除雪や雪下ろし中の事故にも十分注意して欲しいと指摘しています。
除雪中には落雪に埋まって窒息したり、水路に落ちたりするおそれがあるほか、雪下ろしの最中に屋根から落ちる危険があるとして、大雪が降っている間はこうした作業は行わず、雪が落ち着いたあとも複数で作業をするなど十分注意をするよう呼びかけています。