欧博abg東京 江戸川区東葛西で爆発 工事中にガスボンベ損傷し引火か 10人けが 約40棟が被害

【最新】東京 工事現場の爆発事故 きょう現場検証 ボンベの経緯も捜査

28日の記事はこちらをご確認ください

東京消防庁によりますと27日午前9時半ごろ、江戸川区東葛西の新築住宅の工事現場で、「爆発音が聞こえた」と通報がありました。

工事車両のトラックから黒煙が上がるなど一時激しく焼けて、ポンプ車など30台あまりが出て消火にあたった結果、火はおよそ4時間後に消し止められたということです。

爆風によって近くのコンビニのガラスが粉々になり、周辺の住宅や店舗も窓が割れたり、壁が破損したりするなどの被害を受けました。

消防によりますと、爆風の被害を受けた建物は、半径およそ100メートルの範囲で少なくとも38棟にのぼっているということです。

警視庁などによりますと、工事現場の作業員や、近隣住民など20代から70代の10人がのどや耳の痛みなどを訴えましたが、いずれも軽傷だということです。

現場では新築住宅のくいを打ち込む工事が行われていましたが、捜査関係者によりますと地中から金属の溶接などに使われ、可燃性の高い「アセチレンガス」のボンベが、損傷した状態で見つかったということです。

工事中にボンベが損傷し、漏れ出したガスに引火した可能性がありますが、なぜボンベが地中に埋められていたのかはわかっていないということで、警視庁が詳しい状況を調べています。

現場は東京メトロ・東西線の葛西駅に近いマンションなどが建ち並ぶ場所で爆発のあと、周辺に規制線が引かれ、一時、住民に避難が呼びかけられました。

【動画】上空からの映像では(17秒)

NHKのヘリコプターが午前10時ごろ、上空から撮影した映像では、コンビニエンスストアの窓ガラスが割れたり看板が壊れたりして、破片が散乱している様子が見えます。

近くの2階建てのアパートは、窓が外れたり、ガラスが割れたりしています。

また、工事現場にある工事用の車両が焦げたように黒くなっていて、運転席の部分が大きく壊れています。

消防が放水活動を行うなど対応に当たっています。

爆発が起きた当時の現場は

爆発が起きた東京 江戸川区東葛西の現場で、午前9時半ごろに撮影された画像です。

工事車両から炎と黒煙が上がっていて、その周囲で通行人が見守っています。

撮影者は「地震に近い揺れと、かなり大きな爆発音がしてびっくりしました。煙の匂いもしてあたりは騒然としていました」と話していました。

近くに住む男性「立て続けに5回くらい破裂音」

爆発現場の近くに住む60代の男性は「出かける準備をしていたら、突然聞いたことのない破裂音がして、窓ガラスが割れました。ガラスは家の中にまで入ってきて、立て続けに5回くらい破裂音がしました」と話しました。

その後、外に出るとトラックが燃えていて、真っ黒い煙が上がっているのが見えたということです。

近くの集合住宅に住む男性「ドーンと音 エアコン落ちてきた」

近くの集合住宅に住む30代の男性は「寝室にいたらドーンと音がしたので飛び起きてリビングに行ったら、エアコンが落ちてきていたのでこれはまずいなと思いました。午後から仕事なので、近くにあった服を急いで着て仕事用のかばんだけ持って外に出てきました」と話していました。

また、近くの専門学校で授業を受けていた19歳の女性2人は「雷のような大きな爆発音がしました。はじめは工事現場の重機が倒れてきたのではないかと思いましたが、あとから、煙のにおいがしてきました」と話していました。

現場近くに暮らす女性「部屋で寝ることもできず不安」

爆発現場に近いアパート1階で暮らしている60代の女性は「爆発音がして数秒後、部屋の中に割れたガラスが入ってきました。衝撃でエアコンが外れていたり机や洗面所にあったものが散乱したりしています。このままでは部屋で寝ることもできず、修繕のメドも立たないので不安を感じています」と話していました。

区が一時的な宿泊施設を確保

江戸川区は、27日朝の爆発で窓ガラスが割れるなどして自宅に戻れなくなった住民が避難できるよう、現場近くの2つの公共施設を一時的な宿泊施設として確保したということです。

現場周辺では、区の担当者が被害に遭った住宅などを訪問し、破損した部分を覆うためのブルーシートやガムテープを希望する人に配付しています。

また、28日まで24時間態勢で相談窓口を設け、区の担当者10人ほどが対応を行うということです。

当時現場では地中にパイプを打ち込む作業

現場の工事を担当する施工業者を管理・指導していた都内の会社によりますと、当時、爆発現場では地中にパイプを打ち込む作業が行われていたとみられるということです。

こうした工事により、地盤の強度が上がり、建物が傾いたりするのを防ぐことができるということです。

通常、この工事は、専用の車両を使って行われ、直径およそ5センチ、長さ2メートルから7メートルほどのパイプに、上から圧力をかけて、回転させながら地中に打ち込んでいきます。

工事の前には、地中の状況などを依頼主などと打ち合わせをしてから工事を行うということです。

会社の担当者は「爆発の原因はまだはっきりと分かっていないが、工事において改善できることがあれば、今後、施工業者に注意喚起していきたい」と話していました。

専門家「ガスボンベの地中埋設は想定外の事象」

火災や爆発に詳しい東京理科大学の桑名一徳教授は、現場の映像などから、今回の爆発は部屋の中のような密閉された空間ではなく、外の開放された空間で起きたとみられると分析しました。

開放された空間ではガスの圧力が上がりにくいにもかかわらず、建物被害が半径およそ100メートルと広い範囲で起きていることから「爆発の規模としてはかなり大きく、大量のガスが漏れていたと考えられる。爆発の場所と人の位置関係によっては、かなりひどいけがになることも考えられた。都市部では建物も多く、被害が大きくなる傾向がある」と話しています。

また、捜査関係者によりますと、地中からは「アセチレンガス」のボンベが、損傷した状態で見つかったということです。

桑名教授によりますと「アセチレンガス」は、空気と混じらなくても衝撃や火花、加熱などで爆発する「分解爆発」の特徴があり、都市ガスと比べ小さなエネルギーでも着火してしまうということです。

一方、ボンベが地中から見つかったことについては「ガスボンベが地中に埋まってることはなかなか考えにくい。何らかの貯蔵施設があったのかもしれないが、状況がよくわからない」と述べたうえで、「爆発の可能性のあるガスが地中のような思ってもいないところに貯蔵されているのは想定外の事象で、どうしても安全対策は手薄になっているし、対策の難しさがあると思う。どういった経緯で今回のガス漏れが起きたのか、解明が重要だ」と指摘しました。

2025-06-06 14:05 点击量:5