欧博娱乐山火事 愛媛 今治 山林火災 延焼続く 焼失面積は25日の倍に「飛び火」に警戒を 避難指示対
目次
目次
注目
山林火災はなぜ起こる?半数超が2月から4月に集中 注意を
今治市で今月23日に発生した山林火災は、4日目の26日も延焼が続いていて、焼けた面積はおよそ417ヘクタールと25日午後より倍近くに拡大しています。
消火活動が続けられていますが、依然として、鎮圧のめどは立っていません。
26日、今治市の消防団員が活動中に転倒して頭などにけがをし、この火災によるけが人はあわせて2人となりました。
山林火災の飛び火で建物に火が燃え移ったとみられ、桜井地区で住宅2棟、郷桜井地区で住宅3棟と倉庫2棟、長沢地区と朝倉地区でそれぞれ1棟の住宅のあわせて9棟が全焼したということです。
この火災で今治市は、長沢地区、朝倉北地区、緑ヶ丘団地地区、郷桜井地区の一部、旦地区、桜井小学校区、朝倉南乙野々瀬地区のあわせて5988人に避難指示を出しています。
26日午後4時半の時点で7つの避難所に90人が避難しています。また隣接する西条市も楠河地区楠・六軒家に避難指示を出しています。
県内には乾燥注意報が出され空気が乾燥した状態が続いていて、風によって離れた建物に火が燃え移る「飛び火」にも警戒が必要です。
また、四国電力送配電によりますと、今治市内を通る2つの送電線のうち沿岸部に近い送電線は、現場での消火活動に支障が出ないよう電気の供給を停止しているということです。
このため残るもう1つの送電線が火災の影響で電気の供給ができなくなった場合、今治市のほぼ全域が停電するおそれがあるということです。
四国電力送配電は懐中電灯の準備や携帯電話の充電など、明るいうちから停電に備えるよう呼びかけています。
注目
《焼けた範囲は?》
愛媛県今治市の山林火災で焼けた範囲を地図で見てみます。
愛媛県災害対策本部の発表資料をもとに作成した図です。25日午前7時半ごろには、焼けた範囲はおよそ214ヘクタールに広がっていました。
今治市の長沢地区や西条市の楠河地区楠・六軒家の周辺のほか、今治市の緑ヶ丘団地近くが焼けていました。
その後、25日午後11時半の時点では、およそ306ヘクタールまで拡大。
午前中と比べると北側のエリアが南北に広がっていて、避難指示が出された桜井小学校区や旦地区、郷桜井地区の近くに及んでいるほか、飛び火したように東側にある山の方でも焼けた場所があることが見てとれます。
こちらはNASA=アメリカ航空宇宙局の人工衛星がとらえた地上の熱源のデータです。
山林火災のおおよその頻度や位置などを把握するために利用されているもので、NHKではこれをもとに地図上に可視化しました。
データは実際に火災が起きている場所とはずれている場合もあります。
25日未明には火災が起きているとみられる熱源が、大きく分けて3か所で見られました。
25日はその後、北側や西側に熱源が移っている様子が見られます。
さらに26日未明には東側の山にも移っているほか、引き続き広い範囲で熱源が確認できます。
専門家 “火の粉300m超飛ぶことも”
飛び火が原因で建物に燃え移ったとみられることについて、専門家は火の粉が300メートルを超えて飛ぶこともあり、風下の住宅地では同時多発的に火災が発生するリスクに注意が必要だと指摘しています。
愛媛県今治市の山林火災では、住宅にも複数の被害が出ています。
飛び火で燃え移ったとみられ、1923年に発生した関東大震災や2016年に新潟県糸魚川市で起きた大規模火災でも、飛び火が原因で広範囲に延焼したとされています。
建築研究所防火研究グループの水上点睛 主任研究員によりますと、飛び火は火災が起きた場所で起きる上昇気流に乗って、小さな火の粉が広がり、300メートルを超える距離を飛ぶことがあるということです。
建物に降ると、わずかな隙間に入り込み燃え上がることがあるため、風下にある建物は注意が必要だとしています。
水上主任研究員は、「1番危険なのは強風によって火の粉が四方八方に散らばって同時多発的に火災が発生し、逃げ場を失ってしまうことだ。今後も風が強まれば飛び火が発生することが考えられ、消防や自治体の指示や情報をしっかり確認してほしい」と話していました。
気象庁によりますと、前線を伴う低気圧が日本海を通過し、南から暖かく湿った空気が流れ込む影響で、27日から28日にかけて雨が降る見込みです。
住宅が全焼するなどの被害が出ている今治市では、27日から28日午前中にかけて雨が降る見通しで、27日夜を中心に1時間に10ミリ程度の雨が予想されていますが、27日の24時間雨量は50ミリ以下とまとまった雨は期待しにくいということです。
NEW
今治と西条に災害救助法適用
愛媛県は26日夕方開いた災害対策本部会議の中で、山林火災による建物被害が広がり被災者が避難して継続的に救助を受ける必要があるとして、今治市と西条市への災害救助法の適用を決めたことを明らかにしました。
これによって避難所の設置や物資の提供などの費用を国と県が負担することになります。
県によりますと、県が災害救助法を適用するのは7年前の2018年に発生した西日本豪雨以来だということです。
会議の中で中村知事は「住宅の火災が拡大していて、強風によって広がる可能性がゼロではなく、今治市と西条市の負担が減るということで適用を判断した」と述べ、県として両市への支援を強化する考えを示しました。
愛媛県今治市の山林火災で、総務省消防庁は、26日午前7時の時点で、広島県と香川県、徳島県、滋賀県、長野県、山口県の6県の消防に対し「緊急消防援助隊」の出動を求めました。
一部の部隊は25日夜のうちに現地に到着していて、消火活動などにあたっています。
中谷防衛大臣は、26日午前、防衛省で記者団に対し「一連の山林火災は、広範囲にまたがっており、全自衛隊の部隊を、効率的・効果的に投入する必要があることから、新たに発足した統合作戦司令官に、一元的に指揮をさせることにした。住民の不安を解消できるよう、全力で対応していく」と述べました。
「統合作戦司令官」は、陸海空の自衛隊を一元的に指揮するため、24日新設されたばかりで、防衛省によりますと、災害派遣で直接、指揮を執るのは、今回が初めてだということです。
岡山市と愛媛県今治市の山林火災への対応を強化するため、政府は26日午前9時、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している「情報連絡室」を「官邸対策室」に格上げし、情報収集と警戒にあたっています。
石破首相 延焼阻止など山林火災への対応を指示
岡山市や愛媛県今治市、それに宮崎市で発生した山林火災を受けて、石破総理大臣は26日午前、延焼の拡大を阻止するため消防や自衛隊などが一体となって消火活動に全力を挙げることや、住民の避難支援と避難生活の環境確保に万全を期すこと、それに広い範囲で停電が発生する可能性も念頭に住民への情報提供や電源車の派遣など必要な備えを進めることを指示しました。