大学入学共通テスト1日目終える 滋賀ではミスで85人が再試験に
49万人余りが出願している「大学入学共通テスト」は18日から始まり、1日目の試験日程を終えました。滋賀県の会場では、監督者が案内の一部を失念するミスがあり、85人が再試験の対象となっています。
大学入学共通テストの本試験は、18日から2日間の日程で始まり、全国651か所の会場で49万人余りが出願しています。
このうち東京 文京区の東京大学では、午前9時半から地理歴史・公民の試験が始まり、午後は国語と外国語、それに英語のリスニングの試験が行われました。
共通テストを実施する大学入試センターによりますと、滋賀県彦根市の滋賀大学の会場で、「地理歴史、公民」の試験の際、監督者が試験開始前に受験番号欄などをマークするよう案内するのを失念し、85人が再試験の対象になったということです。
また、東京 台東区の東京藝術大学の会場では、「地理歴史、公民」の試験の際、監督者が指示を誤り、1人が再試験の対象となりましたが、再試験については希望していないということです。
このほか英語のリスニングでは、機器の不具合などのため、43の試験会場で合わせて49人が機器を取り替えてやり直す「再開テスト」の対象となり、46人が受けました。
今回の試験は新しい学習指導要領に対応した最初のテストで、出題教科と科目はこれまでの6教科30科目から7教科21科目に再編されました。
2日目の19日は理科と数学のほか、今回から新たに加わった「情報」の試験が行われることになっています。
大学入学共通テストについて独自に分析を進めている大手予備校は、科目再編があった『地理歴史、公民』について、「資料や図表を利用した出題が去年より増え、思考力や判断力が問われている」と分析しています。
大手予備校の代々木ゼミナールによりますと、科目再編があった『地理歴史、公民』の「地理総合、地理探究」では、GIS=地理情報システムという技術を使って津波の浸水想定区域や人口分布などのデータを重ね合わせて「避難が必要な人の数」を推計する方法についての出題がなされました。
「地理総合、地理探究」について大手予備校は、「図表を利用した問題が去年までの『地理B』と同様に多いが、正確な知識があれば解答でき、思考力や判断力が問われた」と分析しています。
「歴史総合、世界史探究」についても、「去年の『世界史B』に比べて文字史料が減少し、地図・グラフ・表・図版が増えた。生徒のメモやレポートという形で新規の情報が示されるパターンが増えた」と分析しています。
また「歴史総合、日本史探究」では、作家の松本清張さんを題材にした問題が出されました。松本さんの小説や新聞記事、それに長谷川町子さんの漫画が資料として示され、時代背景などが問われました。
このほか、18日に行われた『国語』については、現代文で、外来語の使い方をめぐって生徒が作成した文章やグラフから答えを導く問題が出題され、「文章や図表などの複数の資料を横断的に読み取ることを求める新傾向の問題だった」と分析していました。